令和2年度 前期始業式(挨拶掲載)

令和2年度5月7日始業開始につき、挨拶を以下に掲載します。


校長挨拶

「令和2年度始業式の挨拶に代えて」
 新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令により、前年度の卒業式、今年度の入学式も中止となりました。緊急事態宣言も5月31日まで延長されることとなり、今だに登校して普通の授業を受けることができない厳しい状況です。

 本校では、比較的早い段階から遠隔授業による授業の実施を計画・準備し、来週11日から授業を開始することとしました。当面(6月末まで)は、遠隔授業を実施します。学生の皆さんだけでなく教員にとっても初めての試みで、試行錯誤の中、授業を行うことになりますが、皆さんがしっかりと学習できるよう工夫して実施します。

 情報技術を駆使した遠隔授業は、以前から新しいと取組みとして注目すべきものでした。今回の緊急事態を契機に遠隔授業を充実させたいと思います。
 遠隔授業は、渡日できずに海外で待機する留学生も学ぶことができます。地震や台風などの災害時や骨折などの病気で登校できない場合も自宅で授業を受けることができます。学びのオプションとして充実しておくべきものです。
 高専生は、最先端の情報技術に優れた人達です。遠隔授業にも十分に対応できると信じています。むしろ「こうした方が良いのでは!こんな風にしたら!」など前向きな提案も大歓迎です。

 コロナウイルスによる外出自粛を受け、自宅で過ごす時間が増えます。この機会をチャンスととらえ、しっかりと勉強したり自分の興味のある事に挑戦したりして、時間を無駄にせず充実した生活を送るようにしてください。
 くれぐれもコロナウイルスに感染しないよう注意してください。


教務主事挨拶

(電気電子工学科教授 岡本 保)

「遠隔授業の実施に向けて」
 新型コロナウィルスの感染拡大により登校ができない状況で、授業開始の5月11日から6月30日まで遠隔授業を実施することになりました。7月以降も通常の対面授業を再開できず、場合によっては、今年度中は登校できない可能性もあると考えています。しかし、そのような場合にも遠隔授業によって授業を実施し、みなさんの進級や卒業に影響はないことをお約束します。もちろん、単位を修得して進級・卒業条件を満たさなければ、進級や卒業ができないことはこれまでと変わりません。しっかりと勉学に取り組んでください。

 今回の感染症拡大防止のための外出自粛をきっかけとして、今後の学び方、働き方は大きく変わっていくと思います。新型コロナウィルスの影響が収束しても、高専・大学では遠隔授業は推進され、テレワークは標準的な働き方になっていくでしょう。みなさんにはこれから実施する遠隔授業を通じて、そのための情報通信技術も是非身に付けていただきたいと思います。4月27日に2年生から専攻科生、4月30日に1年生の遠隔授業予行練習を実施しました。都合の付かなかった一部の学生を除いてすべての学生が課題提出まで無事に完了しました。当日参加できなかった学生も遠隔授業実施に問題はないとの報告を受けております。想像していたよりもずっとスムーズに遠隔授業予行練習を終了することができ、木更津高専の学生の優秀さを実感しました。みなさんでしたら遠隔授業によって、通常の対面授業と同等あるいはそれ以上の学習成果をあげられると確信しています。

 また、遠隔授業では対面授業の場合に比べて、より主体的に学習に取り組まなくてはなりません。自ら学ぶ姿勢があるかないかで大きな差がつくと思います。近年、学修単位科目(自学自習時間も単位に認められている科目)が導入されていることからもわかりますように、主体的に学ぶということが社会からも強く求められています。学習に限らず、「意欲」が最も重要です。そのことを是非心がけてください。


学生主事挨拶

(基礎学系教授 鈴木道治)

「令和2年度始業式の挨拶に代えて」
 学生の皆さん、こんにちは。ようやく令和2年度が始まります。
 新型コロナウィルスのため、昨年度末のスキー研修の中止から始まり、4月6日の入学式、7日の始業式の中止、そして授業も遠隔授業でスタートすることになった今年度。しかし学校に君たちの姿はまだありません。私はやはり学生たちが学校に来て、勉強やスポーツ、その他に取り組んでいる姿を見ている方が落ち着きます。

 早くいつものような状態になることを望みたいですが、このような感染症の場合は1918年のスペイン風邪などが1920年まで続いたようにすぐに収束するとは言えないようです。
 幸い高専はoffice365を使えるため、学校へ来れない状態でも「学び」を止めずに行くことができますが、教科の勉強以外の部分の「学び」の部分では皆さんに大きな負担を強いることになります。

 今年度の学校行事は中止や延期が相次ぎ決定され、また全国高専体育大会も中止となりました。ただしロボコン、プロコンなどの競技は現在開催方法を変更して実施する方向で進んでいます。まだ実施するかが決まっていない行事などについては決まり次第、お知らせします。

 しかしこれから皆さんが生きていく日本、世界ではこういった世界を巻き込む事象、感染症だけでなく地球温暖化による気候変動による災害、大地震などや民族対立などに出会うことは珍しくなくなるのではないでしょうか。
 皆さんがそういう環境の中で将来生きていくには高専にいる間に何をすればいいのかもじっくり考えてもらいたいと思います。高専で過ごす中でエンジニアとしての知識や技術だけでなく、協力して問題を解決する力、様々な立場の人への共感力をいかなる場においても発揮できるように、例年とは違う今年度の環境の中でも考え抜いて知恵を出してもらいたいと思います。

 最後に、長期にわたって家で過ごしているということにより心身のバランスに不調をきたす場合や様々な奨学金などの情報はHPの在校生・保護者専用ページを参照してください。


寮務主事挨拶

(人文学系教授 清野哲也)

「令和2年度始業式の挨拶に代えて」 
 新型コロナウィルス感染症への対応ではそれぞれに大変な状況と思います。不自由なこと、困ったこと、我慢しなければならないことなどが沢山あると思いますが、今は自分の行動に責任を持ち、社会全体の機能回復に向けて努力してほしいと思います。

 みなさんの学校生活については、大きな制限があるなかではありますが、遠隔授業によりその一部を開始できることとなりました。通常の形で始まらないことに心配もあるかと思いますが、気持ちと考えを切り替え、今できること、やるべきことに力を注いでください。

 学生寮に関しては、新型コロナウィルスの感染拡大防止対策のため、残念ながら、運営を開始できない状況にあります。開寮時期は、通常授業への移行と並行して決定することになります。また運営については、慎重な判断と対応が求められており、これまでに準備してきた運営方針も見直さざるを得ない状況となっています。5月開寮予定であったときの入寮枠から再調整を行うことになります。学校全体としての安全管理、あずかる寮生の健康と安全管理の観点から進めなければならない措置です。6月になってからの決定になります。

 新しい物事にチャレンジするときは、考え方が前向きであれば、これまでにない行動力、エネルギーが湧き出てきるように思います。これからしばらくの間は、遠隔授業で学校側も学生側も新しい経験、実績を積み上げていくことになります。一緒に授業をつくりあげていく気持ちで臨んでほしいと思います。


専攻科長挨拶

(環境都市工学科教授 上村繁樹)

「専攻科の皆さんへ ~今年度を始めるにあたり~」
 本年度、専攻科長を務めさせていただきます、環境都市工学科・上村です。
 新専攻科生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 さて、コロナウィルス拡散防止のため、今年度は異例の新学期のスタートとなりました。登校することができず、慣れない遠隔授業などもあり、大変かとは思いますが、ここは専攻科一丸となって乗り越えていきましょう。
 特に専攻科では、研究活動が重要となりますが、登校できないとなると研究もはかどらないでしょう。けれども、出来ることはたくさんあるはずです。解析系の研究テーマの場合は、自宅でできるだけ進めてください。実験系の場合でも、文献調査など、日ごろおざなりにしていた論文をたくさん読んでください。この自粛期間を、むしろ「機会」ととらえて、自己研鑽に励んでいただきたいと思います。
 さらに成長した皆さんと再会できることを心から楽しみにしています。