平成24年度修了証書・卒業証書授与式告辞

平成24年度修了証書・卒業証書授与式告辞

 早くも桜の開花の時期を迎えました。本日、専攻科修了生38名に修了証書を、準学士課程卒業生177名に卒業証書を授与しました。卒業生の中には、6名の外国人留学生も含まれています。また、専攻科修了生全員に学士(工学)の学位も授与されました。修了生及び卒業生の皆さん、修了又は卒業、誠におめでとうございます。本校の教職員一同とともに、心からお祝い申し上げます。また、ご列席のご家族や関係の方々に衷心よりお慶び申し上げますとともに、日頃からの本校へのご支援に厚く御礼申し上げます。さらに、ご多忙の中ご臨席賜りましたご来賓の小田島元校長先生、河上前校長先生、元教授の方々、同窓会、後援会の役員の各位にも、ご指導、ご支援に深く感謝申し上げます。

 木更津高専の創設以来の卒業生は、これまで6100人余りとなっており、社会の第一線で幅広く活躍していますが、諸君はこれに続く第42期の卒業生となります。また、専攻科は第11期の修了生となります。

 諸君が在学した期間中には、本校では、実験実習センターが改修されるなど教育環境の整備が進み、海外の学校との協定等により学生の派遣・受入れを行うなど国際交流も進展しました。また、東日本大震災から2年が経ち、被災地の復興に今なお大きな困難があり、今後の自然災害への備えやエネルギーのあり方にも課題が多い中、今日を迎えました。

 本校の教育方針である「人間形成」「専門の科学技術の修得」「心身の鍛練」の3つの柱に沿って、諸君は、一般教育と専門科目の勉学はもちろん、様々な学校行事や課外活動に一生懸命取り組んでもらいました。また学生どうしの友情も深めたことでしょう。そうした高専での生活により、諸君は人間的に大きく成長し、また、現場に即した実践力と基礎基本に根ざした創造力を併せ持つ、高度専門技術者としての資質を身に付けたことと思います。このことから、諸君は、高専出身者としての自信と誇りを持って、産業社会を担う職業人となり、あるいはより高度の学業を究める学生となって、それぞれの場で、存分に活躍することを期待します。

 諸君のこれからの人生は、平坦な道ばかりでなく険しい山や谷もあるでしょうが、どんな時も、苦労を厭わないこと、失敗にめげないこと、果敢に挑戦すること、そして夢と希望を持ち続けることが大事だと、申し上げておきたい。そして、職業生活において自己実現するとともに、幸福な家庭を築き次世代へと繋げていくなど、実りある人生を歩まれるよう、望みます。

 本年は、日本でテレビ放送が始まって60周年とのことです。テレビ放送の基盤となる技術についてみますと、1926年に日本で電子式テレビ受像機(ブラウン管テレビ)が開発され、1927年にアメリカで電子式テレビ撮像機(テレビカメラ)が開発されています。そして戦後の日本では、今から60年前の1953年(昭和28年)に、国産第1号のテレビが発売され、NHKと民放のテレビ放送が開始されたのです。その後、日本はテレビ受像機の生産世界一を達成するなど、約30年にわたり世界をリードしました。

 テレビ放送の技術のように、社会変革をももたらすような強い影響力を持った技術革新を、イノベーションと言います。イノベーションを起こすには、中核となる新技術に加えて、社会の要求に合わせて商品開発する企業経営が必須でしょう。今日の日本の産業は、テレビなど家電製造業をはじめとして、アジア諸国との競争激化や円高による輸出利益の減少、内需の飽和などにより、国内製造が空洞化し、大きく揺らいでいます。このような危機的状況を救うため、イノベーションに繋がるような新技術を、アジア諸国の追随を許さない日本の高い技術力で次々と起こしていくことに、期待が寄せられています。技術水準の深い理解と大胆な発想の転換が必要でしょう。そうした場面でこそ、製造現場に即した実践力と基礎基本に根ざした創造力を併せ持つ、高専出身の技術者の腕の見せ所になるのではないかと、強く期待します。

 諸君の門出を心から祝福するとともに、諸君の前途が洋々と展開し、それが我が国や世界の明るい未来にも繋がることを祈念し、お祝いの言葉とします。

2013年(平成25年)3月19日
木更津工業高等専門学校長
工藤 敏夫

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