平成25年度入学式告辞

平成25年度入学式告辞

 若葉が芽吹く頃となりました。新入生の皆さん、木更津工業高等専門学校への入学おめでとうございます。ここに専攻科生27名、準学士課程生215名、計242名をお迎えすることになりました。本校の在学生、教職員とともに、心から皆さんを歓迎します。

 また、本日ご列席の保護者やご家族の皆様には、衷心よりお慶び申し上げますとともに、お子様を本校の教育に託してくださいましたことに厚く御礼申し上げます。ご臨席の後援会役員の皆様には、日頃からのご支援に深く感謝申し上げます。

 なお、新入生の中にはマレーシアから2名、エチオピアから1名の留学生もおり、準学士課程の3年次に編入学します。

 高等専門学校は、中学校卒業後から5年間の本科(準学士課程)と、さらに2年間の専攻科から成っており、実践的、創造的な専門技術者の育成を目指して工学教育を行います。準学士課程では5つの学科に分かれ、5年一貫の教育課程の中で、一般教育と専門教育を組み合わせ、実験や実習を重視した教育を行います。専攻科ではさらに高度の専門教育を進め、大学卒業と同じ学士(工学)の学位を取得できることになります。

 木更津高専からは、創立以来、多くの卒業生が世に出ており、産業界や地域社会で広く活躍しています。このことは本校の大きな誇りとするところです。

 さて、中学校を卒業したばかりの準学士課程の新入生諸君に申し上げます。高等専門学校は、特に低学年では、高等学校と似た所がありますが、全体としては大学と共通の所もあり、高校と大学の両方の性格を併せ持った学校と言えます。学校教育の段階別では、高等専門学校は、大学と同じ高等教育機関に位置づけられており、諸君はこれから「生徒」ではなく「学生」と呼ばれることになります。

 このような高専の生活は、諸君にとって、今までの中学校と大きく違い、何かととまどうことも多でしょう。特に、学寮に入った人は、親元を離れ生活面の変化も大きいと思います。しかし諸君は柔軟な感性を持ち心身ともに急速に成長する年代です。どうか一日も早く学校生活に慣れ、クラスの仲間と友達になってください。私たち教員、職員や上級生も、全力で優しく諸君を応援します。分からないこと、不安に思うことがあったら、何でも誰かに相談してください。多少の失敗は後からいくらでも取り戻せます。何事にも前向きに挑戦してください。

 本校の教育方針は、第一に「人間形成」すなわち人間としての力の育成、第二に「専門の科学技術の修得」、第三に「心身の鍛練」すなわち健康な心と体の育成の3つの柱から成っています。この教育方針のもと、学生諸君は、授業や予習復習、レポート提出などの学業に励んでもらいます。とともに、学園祭や体育祭、合宿研修など様々な学校行事に参加し、団体行動の仕方なども学んでもらいます。

 そして、スポーツや文化系の課外活動にも、できるだけ多くの学生が取り組むよう、強く望みます。こうした課外活動の成果を競い合う学校外の大会として、高専体育大会や、テレビ放送される高専ロボコン大会など様々なものがあります。また、本校と外国の大学等との協定に基づき、台湾やドイツなどの海外研修に参加する機会もあります。学生がこれら様々な課外活動や国際交流活動に取り組むことは、一人一人の可能性を広げるばかりでなく、学校全体を力強くすることにもなります。

 高専の5年一貫という期間は、高等学校のように大学受験で中断されることもなく伸び伸びと勉強や課外活動に取り組めるものですが、その半面、当面する課題がないと惰性に流されることにもなりかねません。ですから、これからの諸君には、将来の進路について考え、しっかりした目標を持ち、生活時間を自己管理して、悔いのない毎日を送ることを望みます。

 この木更津高専の周辺には、住宅地のほか、豊かな田園地帯も広がっており、これからの時期は、水田に水が引き込まれて代掻きが行われ、田植えも間近となります。水が張られて鏡のようになった田んぼが見渡すかぎり広がっている光景に接しますと、水田はダムであるとの見方もうなずけます。日本人は弥生時代から2千年にわたり、自然の大地に手を加え、斜面に1枚1枚水平な田を作り、上から順に水を引き、稲を育ててきました。こうした農業の営みを通じて、自然と調和する人間生活が築かれ、日本列島が形作られてきたと言えます。

 農業と並んで、やはり自然の資源などを使い人々の衣食住に必要な様々な物を作ってきた営みが、工業でありものづくりの活動です。今日の私達の生活は、建物や橋、自動車、電気製品、加工食品、情報通信サービスなど、多くの工業製品から日々恩恵を受けて成り立っています。そうしたものづくりの方法や技術について科学的に探求するのが、工学という学問です。本校で学ぶ工学は、物理・化学・数学などの自然法則を応用して、人々の生活や公共のために有用なものや快適な環境を作り出すことを目的としています。つまり、工学は自然界に根ざしつつ人間社会と向き合って進む、極めて重要な学問であると言えます。

 その上で、今日の工学は、技術革新により社会的影響の大きいイノベーションを起こすことを求められており、またグローバルな世界で多くの人々と繋がり協力や競争をすることも必要になっています。学生諸君は、工学の基本を学びつつ、こうした工学の新たな課題にも積極果敢に挑戦してほしいと思います。

 今日から、学生と教職員が相互に理解し協力し合って、保護者の方々のご支援もいただきながら、すばらしい学校生活を築いていきましょう。あらためて、皆さんの入学を一同で大歓迎して、お祝いの言葉といたします。

2013年(平成25年)4月8日
木更津工業高等専門学校長
工藤 敏夫

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