平成22年度入学式告辞

平成22年度入学式告辞

寒さが厳しかった今年の冬も、ようやく春になりました。新入生の皆さん、入学おめでとうございます。 ここに専攻科生40名、準学士課程212名、計252名をお迎えすることになりました。本校の在学生、教職員とともに、心より皆さんを歓迎します。

中学校を卒業し本校の新入生となった皆さんは、これまでの努力が実り、喜びや希望で胸が一杯になっていることと思います。 また、専攻科に進む皆さんも、さらに専門の研究を深めようと張り切っていることと思います。どうかその気持ちをいつまでも忘れず、今日から始まる新しい道を歩んでほしいと思います。

新入生の中にはイラン、マレーシア、ラオスからの6名の留学生もいます。慣れない日本での生活は苦労があると思いますが、学校としても特別の応援をしますので、有意義な留学生活を送ってほしいと思います。

また、本日ご列席の保護者の皆様には、お子様の人格形成の大事な時期に本校の教育に託していただき、誠にありがとうございます。 学校と家庭が協力し合って、お子様の成長に力を尽くしてまいりたいと考えていますので、どうか、ご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

さて、高等専門学校は、中学校卒業の15歳という段階から5年間の準学士課程と、さらに2年間の専攻科から成り立っており、実践的かつ創造的な専門技術者の育成を目指しています。
準学士課程での5年間の一貫教育は高専の最も特徴的な制度であり、各学科ごとに専門教育と人間教育のバランスのとれた密度の濃い教育を行います。
専攻科ではその上に立ってさらに工学の研究を進め、大学卒業と同じ学士(工学)の学位を取得できることになります。

木更津高専は昭和42年創立以来これまでに、5700名余りの卒業生を世に送り出してきました。これら先輩の皆さんはそれぞれ、産業界や地域社会で広く活躍しています。
日本のめざましい発展の基盤は高い産業技術力にあるわけですが、高専卒業生がその一翼を担ってきたことに私たちは誇りを持っています。
皆さんもこれら先輩に続いて、社会に出てから大いに活躍していただきたい、そのためにも充実した学校生活を送ってほしいと思っています。

なお、高等専門学校は、教育制度の中では、大学と同じ高等教育機関に位置づけられています。学校では、皆さんはこれから「生徒」ではなく「学生」と呼ばれることになります。

本校は、学校生活を通じて学生諸君を立派な大人の社会人に育成するため、3つの教育方針を掲げています。 第一に人間形成、第二に専門の科学技術の修得、第三に心身の鍛練であります。
学校生活全体を通じてこれらの目標を達成することになっており、学業のほかに、様々な学校行事も用意されています。 新入生にはまず、4月下旬に1泊2日の鴨川青年の家での合宿研修に参加してもらい、クラスの仲間とも早く仲良くなってもらいたいと思います。 本校には男女ごとの学寮があり、遠距離で自宅通学が困難な学生は寮生活を送ることができます。

学業の面では、下級学年では、全学科共通の一般教育科目の授業を多く取り、上級学年に進むに従って、各学科で違う専門科目を多く取ります。
自分の希望に応じて授業を選ぶ選択科目も出てきます。高専の教育は質量ともにハードで、授業以外の予習復習にも力を入れないと必要な単位をきちんと取れない場合も出てきます。

こうした学業と並ぶ行事としては、毎年、体育祭、学園祭、駅伝大会があり、学年によってはスキー合宿や企業などへの見学旅行も予定されています。
さらに、スポーツや文化系の課外活動も盛んに行われており、その成果を競う場として、学校外で行われる体育大会や文化祭に参加することになります。
さらにロボットコンテストやプログラミングコンテストに参加することもあります。

こうした学校生活を通じて、学生諸君は、自分自身を見つめ、自分の力、適性や希望を考慮し、自分の進路を切り開いていかなければなりません。
もちろん学校としてできる限りの指導や相談に当たりますが、最後は自分で判断し行動しなければなりません。
学生諸君がこれから充実した生活を送り、一人残らず無事卒業を果たすことが、私たち教職員の願いであり、そのため全力を尽くすのが務めでもあります。

明治時代に札幌農学校に来たアメリカ人教師のクラーク博士は、「Boys, be ambitious(少年よ、大志を抱け)」という有名な言葉を残しました。 ところが、この言葉の後に、「like this old man」という言葉が続いていたとも言われています。
これによれば、クラーク博士の言葉は「Boys, be ambitious like this old man」となり、「この老人のように、あなた達若い人も野心的であれ」という意味になります。 老人といっても、当時クラーク博士はまだ50歳代初めでした。アメリカに帰国後、いろいろな事業に挑戦し失敗もしたそうですので、本当に野心的だったのかも知れません。 実は、私も、この4月に本校の校長に就任したばかりでして、皆さんと同じ新人です。 そしてクラーク博士と同じ老人ですので、「Boys and girls, be ambitious like this old man」という言葉を私から皆さんに贈りたいと思います。

今日から、学生、教職員が信頼と相互の理解の上に立って、保護者の方々のご支援もいただきながら、すばらしい学生生活を送ることができるよう、お互いに努力していきましょう。
あらためて、皆さんの入学を在校生、教職員全員が大歓迎しているということを申し上げて、お祝いと歓迎の言葉といたします。

2010年(平成22年)4月5日
木更津工業高等専門学校長
工藤 敏夫

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