トピックス

セルビアPASCH校との交流キャンプ(参加学生報告)

<セルビアのPASCH校生との秋葉原・スカイツリー観光>
 
 8月22日から8月25日までの4日間、日本のPASCH校生たちが、セルビアのパンチェヴォから来日中のPASCH校生4名(ヨヴァナ・ドネヴスキー、マリヤ・スヴェトコヴィチ、ルカ・イヴァノヴィチ、ステヴァン・スタンコヴィチ、ヨヴァン・ミトロヴスキー)、引率のラドミラ・ニコリッチ先生と一緒に、東京都内および鎌倉を観光案内しました。観光ルートは、1日目:浅草寺と浜離宮、2日目:秋葉原とソラマチ・スカイツリー、3日目:鎌倉、4日目:東京タワーと上野動物園でした。私が参加した2日目の観光には、北園高校のPASCH OBが2人、本校から4人の学生が参加しました。また昨年までゲーテ・インスティトゥートでPASCH担当アシスタントをしてくださっていたカリーナ・ハーゲルさんが引率をして下さり、総勢13人で東京を観光しました。この日は天気にも恵まれ、絶好の観光日和でした。
 午前10時にセルビアのPASCH校生の宿泊先の浅草橋を出発し、まず彼らの希望もあり、秋葉原へ電車で行きました。秋葉原といえば、アニメや漫画、電気街といった秋葉原独自の「アキバ文化」で知られています。セルビアのPASCH校生たちは秋葉原に到着して、とても物珍しそうに辺りを見回していました。ヨヴァンは日本のアニメが大好きで、アニメの関連商品が売っているお店で、お土産をたくさん買っていました。セルビアでもNARUTOやデジモンといった日本のアニメは人気だそうです。他にも、町中で出会ったコスプレをした人と記念撮影をしたり、家電製品の買い物をしたりと、彼らは「アキバ文化」を楽しんでいました。
 続いて、墨田区押上の「ソラマチ」と「スカイツリー」を訪れました。私はまだスカイツリーに登ったことがなかったので、このスカイツリー見学を実はとても楽しみにしていました。「ソラマチ」とはスカイツリーの周辺にある大きな商業施設で、水族館やプラネタリウムなどもあります。みんなで一緒にソラマチで買い物を楽しんだあと、いよいよスカイツリーに登りました。スカイツリーは高さが634メートルあり、世界一高い電波塔として知られています。スカイツリーが眼前に現れたとき、その高さにセルビアのPASCH校生たちは驚いて、しばらくスカイツリーを見上げていました。450メートルの高さまでエレベーターで登ると、東京の景色を一望でき、とても素晴らしい眺めでした。スカイツリーの最上階に登ったときには既に午後の6時をまわっていたので、450メートルから見える東京の夜景がきれいで感動しました。
 この日、セルビアのPASCH校生たちだけでなく、日本の参加者たちも東京観光を大いに楽しむことができました。観光案内をしているうちに、私たちもまた東京の魅力に気づかされました。しかし、それら全てを説明するだけの十分なドイツ語力がまだありませんでした。もっと日本の文化をうまく伝えられるように、これからもドイツ語の勉強に励みたいです。
(文責:電子制御工学科5年 筑間拓実)

秋葉原にて。興味深そうに辺りを見回すセルビアのPASCH校生たち。

秋葉原にて。興味深そうに辺りを見回すセルビアのPASCH校生たち。

<「エコロジー」をテーマとした取材とビデオ作成>
-PASCHビデオ・ワークショップ 2015 in 東京-
                                                                                  
 8月26日から30日まで、東京でPASCHビデオ・ワークショップが開催されました。今回のワークショップのテーマは「エコロジー」でした。ワークショップにはセルビアと日本のPASCH校生12名が参加しました。セルビアのPASCH校生はパンチェヴォにあるウロシュ・プレディチュ・ギムナジウムから5名、日本のPASCH校生のうち木更津高専から4名、都立北園高校から2名が参加しました。参加者は3グループに分かれ、グループごとに「エコロジー」をテーマとした取材を行い、5分程度のビデオを作成しました。完成したビデオは下記のURLで見ることができます。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLT45mE8sZ7NaDG6Pqvh9VNxt69P9tOZZm

【グループ1: 植栽とエコロジー -環境に良い都会づくりを目指して-】 
 グループ1(ヨヴァナ・ドネヴスキー、ルカ・イヴァノヴィチ、杉野泰斗、多喜萌)は「銀座ミツバチプロジェクト」とPASONAを訪問しました。「銀座ミツバチプロジェクト」とPASONAは、「植栽」を通じて環境問題に取り組んでいます。銀座は東京都内にある有名な商店街です。「銀座ミツバチプロジェクト」(NPO法人)は、銀座のビルの屋上や公園に「ビーガーデン」を作り、養蜂を行っています。なぜ「銀パチ」(「銀座ミツバチプロジェクト」の略称)は、人通りが多い銀座という場所で養蜂を行っているのでしょうか。私たちのグループは、「銀座ミツバチプロジェクト」の田中章仁さんにインタビューをしました。
 「銀パチ」のメンバーは10階建のビルの屋上で活動しています。一見、それは近隣のビルと変わらない建物ですが、屋上では約15万匹の蜂が飼育されています。蜂は屋上のビーガーデンだけではなく街路樹や周辺の樹木からも蜜を集め、同時に花を受粉させます。木は蜂によって豊かに実り、その実を食べたり、蜂を食べることで、都会で鳥や虫が生活することができます。人間だけでなく鳥や虫などの生き物も住むことのできる環境に良い都会づくりを目指していると田中さんは述べていました。しかし、都会で蜂を飼うためには、蜂が人に危害を加えないように注意する必要があります。プロジェクトのメンバーは、蜂が巣箱以外の他の場所に巣を作らないように気を付けています。そのために女王蜂の片羽を切っているとのことでした。
「銀座ミツバチプロジェクト」の公式HP(http://www.gin-pachi.jp/)
 PASONAは人材派遣や就職支援を行っている会社です。PASONAの建物はすぐに見つかりました。なぜなら、会社建物全体が多くの植物に覆われていたからです。ここでは200種類以上の植物が育てられています。花だけでなく、米やレタス、カボチャ、ゴーヤなどの野菜も栽培していて、収穫された野菜は社員食堂の料理に使われています。建物内で植物を育てるときには、いくつかの問題があるそうです。一つには、室内灯だけでは植物の成長のために十分ではないということです。また、二つめには、部屋の中では風がなく、虫もいないため受粉は手作業で行わなければならないということです。また、たくさんの花や野菜などを育てているため、水やりが大変です。そのため、PASONAでは水の循環装置や太陽光に近い波長を出す電灯を用いて、植物や野菜を育てています。PASONAは、3つの目的のために植栽を行っています。一つ目は人々に農業という職業にもっと興味を持ってもらうこと、二つ目は、PASONAで働いている社員に癒しとくつろぎを感じてもらうため、三つ目は環境保護のため節電するためです。外壁の植物は太陽光を遮るため、夏場には建物内が涼しくなります。
PASONAの公式HP:http://www.pasona.co.jp
 このワークショップで大変だったことは、ビデオの構成についてすべてドイツ語で意見交換しなければならないことでした。このワークショップを通してRegie(インタビュアー)やKamera läuft(カメラ・スタート)、 Schnitt(編集)などのドイツ語の単語を何度も使い、習得することができました。このような機会を与えて下さったゲーテ・インスティトゥート、撮影やビデオ編集の仕方を教えて下さったユスティーナ・ファイヒトさんにお礼を述べたいと思います。
(文責:電気電子工学科5年 多喜萌)

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草木で覆われている外壁(PASONA本社)

 

【グループ2:東京の下水処理について調べる】
 グループ2(マリヤ・スヴェトコヴィチ、ステヴァン・スタンコヴィチ、原田寛志朗、小椋崇弘)のテーマは、「下水処理」でした。このテーマについて調べるため、私たちのグループは、三河島水再生センターに行きました。この「下水処理」というテーマは、私が考えたテーマでした。私は、木更津高専で、下水処理が環境保全に果たす役割と、下水処理の技術について学んでいるので、今回のワークショップのテーマである「エコロジー」に関連して、このテーマを提案することにしました。三河島水再生センターでは、職員の方々が、下水処理のプロセスについて、下水や処理水、微生物などを実際に見せてくださりながら、丁寧に説明してくれました。
 今回のワークショップでは、各グループが「エコロジー」にかかわる施設を取材して、約5分間の動画を制作したのですが、その際に、グループのメンバーを、カメラマン・音声・監督に役割分担しました。私たちのグループでは、ステヴァンがカメラマン、マリヤと原田君が音声、私は動画制作全体をまとめる監督を担当しました。動画のストーリーは、監督が考えた構想をもとに、グループ全体の意見を取り入れながら決めていきました。取材や撮影期間は2日間でした。その間、私たちは、下水処理場のほかに、池や川、船やトイレなどの、水にまつわるいろいろな映像も撮影しました。
 取材と撮影を終えた後で、映像を編集し、動画を制作しました。編集作業では、日本語を含む映像と音声を扱うため、どうしても日本人参加者だけでの作業になりがちでした。しかし、撮影した映像の有効な使い方や、動画のシナリオについて話し合うため、セルビアの参加者ともドイツ語でたくさん話しました。動画がほぼ出来上がり、残りは最後のシーンを完成させるのみとなったところで、セルビアからの参加者と日本人参加者との間で意見が対立してしまい、セルビアのラドミラ・ニコリッチ先生やゲーテ・インスティトゥート東京の丸山智子さんなども交えた話し合いにまで発展してしまいました。私は、「人の生活と水とのかかわりについて、もう一度考えてみませんか?」というメッセージを動画の最後に入れたかったのですが、初め、このアイディアは、セルビアからの参加者に受け入れられませんでした。私が、自分の考えをマリヤとステヴァンに十分にドイツ語で説明できなかったこと、何かを決めるに際して議論を避けて妥協をしがちだった私の姿勢が、この意見の対立の原因でした。一連の話し合いが済んだあと、今回のワークショップで映像や音声の技術指導をしていたユスティーナさんに「君たち、30分休憩しなさい。」と言われ、私たちは、しばらく頭を冷やしました。休憩から戻ると、ラドミラ先生とマリヤとステヴァンが、休憩中に、私が提案したメッセージをもとにして最後のシーンを作成してくれていました。私は、彼らが私の意見を取り入れて、シーンを作ってくれていたことに感激しました。そして、細かい修正や、字幕の挿入などを終え、ようやく動画が完成し、グループの仲間たちと喜びを分かち合いました。
 私たちのグループの動画は、下水処理のプロセスについて、三河島水再生センターの職員の方々が説明してくださるシーンと、職員の方々に、下水処理についての取材を行っているシーンとで構成されています。動画の最後に、「人の生活と水とのかかわりについて、もう一度考えてみませんか?」というメッセージが流れます。上映会で私たちの動画が映されたとき、会場の人たちは、この私たちのメッセージを見て、自分の生活と水とのかかわりについて考えてくれたように、私には思えました。
 5日間という短い期間で、ドイツ語を使いながら一つの動画を制作するというのは、とても大変な作業でした。しかし、積極的にドイツ語を話すことで、通常は得られないような達成感を得られ、ドイツ語でのコミュニケーション能力が少しでも向上したことは、とても貴重な体験になりました。
(文責:環境都市工学科5年 小椋崇弘)

動画を編集しているところ。

動画を編集しているところ。

【グループ3:「エコカー」について学ぶ -環境に配慮した車とは-】
 グループ3のメンバーは、セルビアのヨヴァン・ミトロフスキー、木更津高専の筑間拓実、木村幹、内山実希の4人でした。木更津高専出身の先輩である中山裕貴さんも、アドバイザーとしてこのグループに参加してくださいました。私たちのグループのテーマは「エコカー」でした。車は、いまや私たちの生活に欠かせないものとなっていますが、環境への影響も大きいため、環境に優しいエコカーについて知りたいと思い、私はこのテーマを選びました。           エコカーについて詳しく知るため、私たちはまず東京タワーのすぐそばにあるイワタニ水素ステーション芝公園を訪ねました。到着後、まずスタッフの方から、水素はどのように作られ、どのように水素ステーションに運び込まれているのか説明していただきました。イワタニ水素ステーションのショールームには、トヨタの車が置いてあり、トヨタのスタッフの方もいました。そのトヨタのスタッフの方に、トヨタの「知恵をカタチに」がコンセプトである「ミライ」というハイブリッド車の仕組みについて説明を受けました。説明している様子を、私が音声録音し、ヨヴァンが映像を撮影しました。私には本格的な機器を使って音声を録音すること自体が初めてだったので、とても興味深かったです。テレビで放送されている動画は、きっとこのように作られるのでしょう。その後私たちは、水素ステーションのショールームを見学しました。水素ステーションの天井はガラス張りになっており、そこから東京タワーが見えて、素晴らしい眺めでした。見学している際、ヨヴァンは水素ステーションの外装や東京タワーを撮影していました。私は木村君と一緒に、動画編集に使うため、車の走る音を録音しました。見学後、水素ステーションのスタッフの方が、私たちを燃料電池車に乗せて水素ステーションの周辺を少しドライブしてくださいました。その燃料電池車のシートがとても心地良く私は眠くなってしまいました。私は、将来こんな車が欲しいなあと思いました。また、今回のビデオ作成を指導してくださるユスティーナから、動画編集に使うためのいろいろな音を録音すると良いとアドバイスしてもらっていたので、ゲーテ・インスティトゥート東京へ戻る途中で、電車の音や蝉の鳴き声を録音しました。
 翌日、私たちは、タクシーの運転手に、環境に配慮した運転をするために気をつけていることをインタビューしようと思い、渋谷駅前に行きました。しかし、場所が渋谷であったからなのか、どの運転手も忙しく、話を聞くことができませんでした。そこで調査対象を渋谷「ハチ公前」で待ち合わせをしている一般の方々に変更し、ビデオ撮影をしました。なかなかビデオ撮影の承諾を得ることができず、取材は難航しましたが、最終的には3組の方々が協力してくださいました。車を運転するときには、アイドリングストップを心がけているなどの回答がありました。
 こうして、2日間にわたる私たちのグループの調査が終了しました。今回のワークショップを通じて、燃料電池車は環境に優しいというメリットの一方で、水素ステーションを町に作るには膨大なお金がかかるということも学びました。たくさんのお金がかかるため、ハイブリッド車の開発はそう簡単には進まないという実情も知りました。ハイブリッド車の開発に頼るだけでなく、私たちも車を運転する際に、環境に配慮して運転をするべきだと思いました。自ら調査をして動画編集も自分たちでやるなど、ビデオを作ることは大変でしたが、とても達成感がありました。
(文責:情報工学科4年 内山実希)

東京タワーのそばにあるイワタニ水素ステーション芝公園

東京タワーのそばにあるイワタニ水素ステーション芝公園

<セルビアとの文化交流を通じて得たもの>

 東京でのPASCH校ビデオキャンプの後、8月30日から9月4日までの6日間、ルカとステヴァンの2人が、木更津高専の合宿所に滞在しました。同じ時期には来日中のデュッセルドルフのハインリヒ・ヘルツ・ベルーフス・コレーグの生徒たち4名も合宿所に滞在しており、木更津高専生10名と共に、総勢15名ほどで、合宿所で生活しました。彼らは木更津高専で、授業見学や工場棟見学、ワークショップなどに参加したほか、放課後には、茶道体験をしたり、カラオケにでかけたり、学内テニスマッチに参加しました。私は、彼らの6日間の滞在中、後半の4日間の生活を共にし、主に朝食作りを担当しました。彼らと一緒に生活する中で、自分の国とは大きく異なる生活習慣や文化に触れることができ、とても興味深い体験でした。
 まず初めに私が気がついたのは、ルカとステヴァンにとっては箸の使い方がとても難しいということでした。彼らが日本にやって来て2日目の東京観光の際、昼食でラーメンを食べたのですが、その時彼らは箸を上手く使うことができず、ラーメンを全く食べることができませんでした。持ち方を何度も教えても箸を使うことは難しく、そのたびに持ち方を尋ねてきました。しかしその後、彼らは毎回食事の際に、箸で食べるのが難しい食材でも頑張って箸を使い、箸の後ろに輪ゴムをまいて固定するなど工夫して食べていました。木更津高専の学食でカレーを食べたときも、練習のために箸を使って食べていたほどです。あまりにも時間がかかっていたので、2人に「スプーンが使えるよ」と言ったのですが、最後まで箸を使っていました。こうして次第に彼らは上手く箸を使うことができるようになりました。
 合宿所での毎日の朝食では、日本食を食べてもらいたかったので、味噌汁、納豆、ごはん、カボチャの煮物などのメニューを用意しました。中でも味噌汁はとても気に入ってくれて、2人とも何回もお代わりをしてくれました。そのため朝食作りでは味噌汁が欠かせませんでした。納豆に関しては、ステヴァンは一口だけ食べ、残してしまいました。特有のにおいと粘り気が苦手なのだそうです。他にも、2人はさまざまな食事に興味を持っていて、納豆以外の食べ物は気に入ってくれたので良かったです。
 また私は、毎回食事の際に2人が必ず少しばかりのご飯を残していることに気づきました。聞いてみると、セルビアでは、出された食事を二、三口ほど残すのがマナーなのだそうです。これは食べ物を残さないことが美徳である日本とは逆でした。日本での常識が外国から見れば非常識だったり、その逆もあることに気付かされ、海外に行く前に最低限の文化やマナーを知っておくことが大切だと思いました。
 今回の交流に参加して学んだことは、自分から積極的に話すことの大切さでした。ただ、私のドイツ語力がまだ十分ではないため、会話が続かないことがあり、本当にもどかしい思いをしました。ドイツ語が話せるようになれば、より深くさまざまな文化を知ることができるし、自国についても伝えることができると思いました。今回の交流を通じて自分にとって新たな課題が見つかったので、これからのドイツ語学習に生かしていきたいと思います。
(文責:機械工学科4年 木村 幹)