令和3年度入学式告辞

 新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。
本日、ここに専攻科生36名、準学士課程生209名、併せて245名をお迎えすることになりました。在学生、教職員を代表し、心から歓迎致します。
本年度は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、会場に御同席頂けませんでしたが、保護者、関係者の方々にも心よりお慶び申し上げます。

 新入生の皆さんは、これから木更津高専で学び、仲間とともに高めあい、実践的技術者へと成長していくことになります。高専独自の5年一貫教育は、我が国の経済発展を支えた教育システムで、世界的にも大変珍しく高く評価されています。近年、モンゴル、タイ、ベトナムなどアジア諸国に日本の高専を作る動きがあり、今や日本の「高専」が世界の「KOSEN(こうせん)」として認知されています。

 木更津高専は、1967年の創立以来、学科・専攻科合わせて、8,300名余りの卒業生・修了生を輩出しています。本校の卒業生・修了生は、約半数が就職し、半数が進学します。
 就職については、企業からの求人倍率は、約30倍で、高専生は即戦力人材として極めて高い評価を受けています。
 また、進学についても、卒業生は、本校専攻科や豊橋・長岡の技術科学大学、千葉大学等の国立大学等に進学し、専攻科修了生については、東京大学、東京工業大学等の優れた大学院に進学しています。

 5年間の準学士課程では、一般教育と専門の工学教育を組み合わせ、実験や実習・演習を重視した実践的な教育を受けることができます。その後の2年間の専攻科では、さらに高度な専門知識・技術を身に付け、大学と同じ学士(工学)の学位を取得できます。

 高専は勉強面のみならず自分を高めるきっかけにあふれています。学園祭や体育祭などの学校行事や部活動に積極的に参加し、チームワークの重要性なども学んで下さい。また、全国規模の大会である体育大会、ロボットコンテスト、プログラミングコンテストなど様々な場面で、自分の実力を試すこともできます。

 5年一貫という高専だからこそ、大学受験に中断されることもなく、早くから専門工学を学び優れた技術者へと成長することができます。しかし、受験などの節目がないことから油断すると惰性に流される恐れもあります。自分自身の将来像を明確にして、それに向かって目標を持って毎日を有意義に過ごして下さい。

 皆さんの年代は、人生において「大人」へと成長する、人間形成上、極めて重要な時期です。是非、多くの友人を作って下さい。この時期の友人は一生の宝物になります。また、自分の関心のある事に思い切り挑戦して下さい。

 本校では、台湾、シンガポール、マレーシアなどの海外研修に参加する機会があります。現在は、新型コロナウィルスの影響で海外渡航は困難な状況ですが、本校には、国内に居ながら海外の学生等と交流できる「国際コラボステーション」もあります。更に、現在建設中の国際寮が完成した暁には、キャンパス内で国際交流を行う機会も格段に増えることでしょう。

 学寮に入った皆さんは、親元を離れ生活面の変化も大きく不安もあることでしょう。しかし、共同生活は、自律性、協調性、主体性等を身に付けることができる貴重な機会です。ルールを守り、仲間とともに充実した生活を送ってください。
 現在、男子寮については、長年の懸案であった改修工事が行われており不便をおかけしますが、綺麗になった寮で生活できる皆さんはとても運が良いです。
 
 新入生の皆さん、今日から新しい学生生活が始まります。皆さん一人ひとりが自分の力で自らの道を切り拓いてください。今日という日が皆さんの輝かしい未来の第一歩となることを願い、お祝いの言葉と致します。


                              令和3年4月5日
                              木更津工業高等専門学校長
                              佐久間 研二