キャリア支援室のお知らせ

2025/07/07 高専キャリアラボ 第8回

 7月7日の七夕の日、第8回高専キャリアラボを開催しました。今回は鹿島建設株式会社メカトロニクス・ソリューション部企画室人事グループより園田貴弘様、土性祐実様、同部機械技術イノベーション室の吉田武史様に講師としてお越しいただき、建設の仕事、機電系の役割や仕事の内容、そして機電系でのキャリアについてお話しいただきました。

 まず園田様、土性様より建設という仕事はインフラを含む「まちづくり」を担っているというご説明がありました。この仕事はものづくりと言っても一般のメーカーとは違って商品が消費されて形がなくなるということがなく、その形が100年以上残り続け街の歴史の一部を作る仕事であるというお話が印象的でした。また構造物の規模が大きく、使用される期間が長い分人々の生活に与える影響も大きいため責任が大きいですが、その分やりがいを強く感じるそうです。またビルや橋などは工場で大量生産するということができないため、建設場所や環境に応じた受注生産であり、全てが異なるものです。そのため、全てを一から作り上げるという困難さがあり、それらを一つ一つ解決していく仕事は「問題の発見」と「対策の検討・開発」、「解決への取り組み」の連続であり、まさに「問題解決能力」が求められる仕事であると感じました。

 続いて、建設現場での問題を解決するための仕事として「機電系」についてのお話がありました。建設の現場では過酷な労働環境、人材不足が問題になっているそうですが、それらに対応するため、ロボットが行う工程を増やしているそうです。ロボット化には各現場に合わせた設計や制御も必要であり、また過酷な現場であっても滞りなく稼働させるための汎化性も欠かせないため、機械や電気、制御等に精通した専門の人材が必要であり、それが機電系であるとのことでした。また、橋やビルが長期にわたりそこにあり続ける「本設」であることとは対照的に、機電系で取り扱う作業機器やロボットは全て「仮設」であり、最終的には跡形もなく撤去されるものであるという点が、「縁の下の力持ち」というように思え、心強く感じました。

 最後に、吉田様より実際の技術者としてのキャリアについてお話しがありました。ロボット開発にはハードウェア開発(機構設計や電気回路設計、センサの選定など)やソフトウェア開発(制御やシミュレーションなど)があり、吉田様がこの分野に携わるようになったきかっけも含め、わかりやすく説明してくださいました。担当された耐火被覆吹付ロボットに関するシミュレーションの導入により安全性の向上や安定した吹付品質の確保につながったと伺い、自分自身の作業が現場の環境改善に貢献することが仕事のやりがいにつながっていることが伝わってきました。

 今回の講演に参加する前は建設業界に就職するのは建設関係を学んだ学生(本校で言うと環境都市工学科)というイメージを持つ学生が多かったのではないかと思いますが、機電系のお話を伺って本校のどの学科でも関連する仕事なのだということがわかり、就職活動の幅が広がったのではないかと思います。


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