2025年10月27日(月),第13回目となる「高専キャリアラボ」を開催しました。
今回は、世界的企業であるアマゾンジャパン合同会社より、情報工学科OBの荒井颯志氏と、新卒採用担当リクルーターの加藤功氏をお招きし、「グローバル・カンパニーで歩む高専リーダのキャリア」をテーマにご講演いただきました。
本イベントは、学生が将来のキャリアを具体的にイメージし、主体的に進路を考えるきっかけを提供することを目的としています。
冒頭では加藤氏より、アマゾンの企業概要や社風について紹介がありました。アマゾンでは自己紹介の際に必ず趣味を話すというユニークな文化があり、加藤氏はラグビー経験や愛犬の話を交えながら、温かい雰囲気で講演をスタートしました。
1995年にアメリカで創業し、2000年に日本へ進出したアマゾンは、「地球上で最もお客様を大切にする企業」を掲げ、ECサイトのみならず、無人店舗「Amazon Go」やドローン配送「Prime Air」など、革新的なサービスを次々と展開しています。
さらに、企業文化としてDiversity(多様性)・Equity(公平性)・Inclusion(包括性)を重視し、社員が安心して働ける環境づくりに力を入れています。オフィスにはプレイヤーズルームやボルダリング壁、ヨガルームなどが設置され、働きやすさと創造性を両立。加藤氏は「Day One Culture(常に初日であるように学び続ける)」という姿勢を紹介し、失敗を恐れず挑戦することの重要性を強調しました。
続いて登壇した荒井氏からは、学生時代の思い出や現在の仕事に至るまでのリアルな体験談が語られました。
「特別な高専生ではなかった」と話す荒井氏ですが、授業や同好会活動に全力で取り組み、充実した学生生活を送ったとのこと。就職活動では複数社に応募し、アマゾンの面接では志望動機よりも“人物像”を深く掘り下げる質問が印象的だったと振り返りました。
入社後は、物流拠点でメンテナンステクニシャンとして、装置・工具・システムなど幅広い分野に関わりながら、日々学び続ける姿勢が求められることを実感。特に、設備改善やトラブル対応を通じて「失敗から学ぶ文化」が根付いていることを強調しました。
講演後半では、加藤氏と荒井氏によるクロストークが行われ、3交代制の働き方、ChatGPTの活用、昇給制度、仕事のやりがいなど、より実践的な話題が展開されました。
学生からは「グローバル企業で英語をどう使うのか」「キャリアアップのために必要なスキル」「残業やワークライフバランス」など、将来を見据えた具体的な質問が次々と寄せられ、会場は活発な雰囲気に包まれました。回を重ねるごとに、学生たちが「自分ごと」としてキャリアを考え、主体的に質問できるようになっていることを感じます。
今回のキャリアラボは、グローバル企業の実態を知り、OBのリアルな声を聞くことで、学生がキャリア形成を考える貴重な機会となりました。
お忙しい中、貴重なお話をしてくださった荒井様・加藤様に心より感謝申し上げます。今後も本校では、学生のキャリア形成を支援する取り組みを継続してまいります。