電子制御工学科のお知らせ

第5回インフラマネジメントテクノロジーコンテスト2024でチャレンジ賞ほか2賞を受賞しました(学生取材記事)

 2025年3月5日、第5回インフラマネジメントテクノロジーコンテスト2024の交流会・授賞式が、お台場の日本科学未来館にて開催されました。このコンテストでは、全国の高専生のチームによる社会インフラの課題解決に対する取り組みが動画作品としてインターネット上に公開され審査されます。

科学未来館でのチャレンジ賞の受賞

 今回、私たちのチームは、最終審査作品の提出があった39チームのなかから「チャレンジ賞」をいただくことができました。またこれに加えて、佐藤工業株式会社様より「プラチナ賞(これぞ社会貢献で賞)」、公益社団法人日本技術士会様より「日本技術士会賞」、をいただくことができました。地域の具体的なニーズに寄り添い社会的課題に対して堅実に取り組む姿勢を認めていただき大変光栄であり、うれしく思います。私たちが何気なく利用している上水道について、地域ではこれだけ困っているということを知っていただく助けができたことだけでも、すでにうれしいです。

チャレンジ賞、プラチナ賞、日本技術士会賞の表彰状・賞状

 2023年5月に館山市の水道企業団からの技術相談・ニーズを受けて、私たち電子制御工学科の関口研究室の有志学生チームは、口径30 mm以下の塩ビ管継手の漏水を 断水せずに止水するための試作開発に取り組んできました。館山市近郊では、このような小口径継手の漏水が、400件を超える年間修理件数の4~5割と多く、漏水水量と製造単価から求めた年間の損失額は年間で4.4億円です。高専では製品開発や製造はできませんが、メーカーの方に製品開発のこれだけの必要性をご理解いただくために、試作開発を通して取り組んできました。この年度のコンテストの取り組みの中では、技術的に困難と考えていた「1.75 MPa(約17気圧)に対して1分間漏水ゼロ」という数値目標を達成しました。現時点までに、取り組みの効果もあってか、メーカーの方にご理解いただくことができ、製品開発がスタートしています。

試作した漏水補修具の例(右下で塩ビ管についているもの)

 取組み自体は「電子制御工学科らしい」ものと見えないかしれません。しかし、水道局の方からの困難が身に染みるご相談に共感して何かお手伝いしたいと考えたとき、電子制御工学科らしく機械・電気電子・情報・制御の基礎を幅広く学んできたことが、少なからず取り組むきっかけとなり役立ちました。

 当該の取組みを支えていただきました水道企業団の皆様と、指導教員の関口先生に感謝いたします。メーカーの方の製品開発の邪魔はしない形で、よりよい漏水補修具ができないか、今後も1年間ほど研究をすすめます。
(制御・情報システム工学専攻1年(現2年) 小林 史朗)

◆ コンテスト動画と提案概要書へのリンク(外部webページ)
https://infratechcon.com/past_works
2024年度 チャレンジ賞  木更津高専 チーム名:水道を止めるな!
「小口径塩ビ管継手の漏水に対する不断水補修具の試作開発」