卒業生・修了生の皆さん、卒業・修了おめでとう。この日を待ち望んでこられた保護者の皆様、心からお祝いを申し上げます。また、本校の教育にご支援いただいている関係の皆様にお礼を申し上げます。
本日ここに5年の準学士課程を終えた卒業生は186名,2年間の専攻科課程を終えた修了生は36名です。この中には遠く母国を離れ本校で学んだ留学生3名がおります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まって3年が経ちましたが、感染が収まる状況にはありません。それでも、社会活動は徐々に通常の形に戻りつつあり、今年度は通常授業を続け、学校行事も人数制限等の制約はありましたが、実施することができました。高専の体育大会も地区大会・全国大会ともほぼ通常の形で開催され、各種コンテストも集合型で実施されました。学校行事も、体育祭、文化デー、祇園祭を行うことができました。とはいえ、学生の皆さんには、多くの制約がある中で授業や課外活動を行うことになり、大きな負担をかけました。3年に渡って多くの困難はありましたが、卒業・修了の日を迎えることができました。学生諸君の健闘を称えたいと思います。
皆さんが学んだ木更津高専は、15歳から始まる早期技術者教育、専門教育を行う高等教育機関です。そして、専攻科修了生の皆さんは、本科5年の学習に加え、更に2年間深く専門を学び、卒研も含めれば3年間の継続的な研究活動を行い、学会発表を行った学生もいます。10代後半から20代初めの、柔軟で最も多感な時期に専門的な勉学を思いっきりできたことで、皆さんは大きく成長したと思います。
さて、世界に目を向けますと、ロシアのウクライナ侵攻、新型コロナウイルスの感染拡大、自然災害、食糧危機、エネルギー危機等多くの問題が人類の生活を脅かしています。そして、これらは科学技術の発展や応用に関係しているものもあり、その問題解決にも科学技術の進歩が欠かせません。皆さんは社会の発展を願って木更津高専で学んできたと思います。皆さんは将来これらの課題に立ち向かう場に立つと思います。その時、木更津高専で一緒に学んだ仲間や家族のことを思い出し、また周りの人々の笑顔を思い浮かべ、困難な課題に取り組んで下さい。
木更津高専は少し高台にある高専です。敷地には起伏があり、変化のあるキャンパスだと思います。そして、羽田空港を発着する航空機が青空を背景に飛行する姿を見ることもできます。貴重なキャンパス風景です。他の高専には無い特色があるキャンパスで、皆さんは未来を夢見て学習や研究を行なったことは恵まれた体験です。
卒業生の皆さんは、授業を通じて学んだ知識や技術、部活動等の体験をバネに、修了生の皆さんは、専攻科で身に着けた高度な知識、研究活動の体験を土台に、次の一歩を踏み出して下さい。皆さんには活躍できる舞台が待っています。大きな飛躍のチャンスもあります。社会をより良くしていくことが皆さんの夢でしょう。皆さんには未来を切り開く力があると私は確信しています。
本日皆さんを送り出すことは、本校の誇りであり、歓びです。
卒業生・修了生のこれからの活躍を祈念しています。
令和5年3月17日
木更津工業高等専門学校 校長 山﨑 誠