令和4年度　入学式告辞

　本科および専攻科新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
　本日、ここに学科生２１６名、専攻科生３５名を新たに迎えることができました。本校在校生、教職員を代表して、心から歓迎します。
　また、保護者の皆様に、心からお祝いを申し上げます。

　高専は、大学と同じ高等教育機関です。１０代後半から専門教育を行う、早期技術者教育を大きな特長としています。高専の教員は、教育者であると同時に研究者でもあります。高専の教育課程や教育方法には様々な工夫がなされています。高学年になるほど専門の講義や実習が多くなるくさび形教育課程を大きな特長としています。更に、ものづくりの技術を身に付けるには、技能に加えて知識、すなわち理論も理解することが大切です。理工系の勉強は基本的に積み上げです。日々の努力を積み重ね、地道な取り組みこそ最後に実を結ぶことを忘れないで下さい。学習習慣をきちんと身に付けること、つまり、日々の予習復習が大事です。それには、将来の夢、目標を持つことが大切だと私は思っています。
　専攻科では、専門分野における高度な授業を受けるとともに、研究室での研究生活が中心になります。皆さんも、教員と共に研究し、研究成果を学会や論文誌に発表して下さい。本科での勉学を土台にし、しっかりとした専門知識を身につけ、新たなものを開発すること、創造性を発揮することを期待しています。これからの時代に必要なイノベーションを生み出す担い手になって下さい。
　在学中に人間性を磨くことも大切です。学校の授業だけでなく、ロボコンやプロコン等のコンテストへの出場やクラブ活動に参加するのも良いでしょう。留学生との交流や、今年は未だ難しいかもしれませんが、海外研修に参加する等、国際性を高めるのも良いと思います。木更津高専では、台湾、シンガポール、マレーシアなどの海外研修に参加する機会もあります。現在は新型コロナウイルスの影響で国際交流が難しい状況ですが、オンラインでの交流、木更津高専で学んでいる留学生との交流もできます。
　また、学生寮で生活する皆さんは、寮での集団生活を経験することになります。最初は規則に合わせて生活することが煩わしいと感じるかもしれませんが、このような経験は貴重なものです。友人関係を作る機会も多くあります。将来きっと役立ってくると思います。
　保護者の皆様にお願いします。高専は一般の高校と違う点が多くあります。本校は工学の専門教育を行う学校であり、学生の自主性を大事にし、自律して学んで行く学生を育てる事を大切にしています。一般高校と違う面もあり、学校生活では、戸惑うこともあるかもしれません。教育は学校だけではできません。保護者と学校が一緒になって学生を育てる点が高専教育の大きな特長でもあります。この点、ご理解とご協力をお願いいたします。
　最後に新型コロナウイルス感染防止対策に関するお願いをしておきます。新型コロナウイルスの感染拡大が収まっている状況にはありません。当面、感染対策をした上で通常授業を実施します。毎日朝に検温をする、手指の消毒をするなどの感染防止対策をきちんとして下さい。今後、状況が厳しくなった場合には遠隔授業に切り換えることもあると思います。困難な状況があっても、学生の皆さんが学習を継続できるよう、対応していきます。
　木更津高専は皆さんの夢を実現する学校です。新入生の皆さんが、将来、優れた技術者・科学者として活躍できるように、私たち教職員は、保護者や関係者とともに支援していきます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　令和4年4月5日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　木更津工業高等専門学校長　　山﨑　誠