令和6年度 入学式告辞

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 本日ここに本科生214名、留学生3名、転入生2名、専攻科生37名、合わせて256名をお迎えすることになりました。在校生、教職員を代表して心から歓迎いたします。
 みなさんが入学されたこの木更津工業高等専門学校は、今から57年前に開校されました。また、2001年には専攻科が設置されました。今年3月で、本科・専攻科をあわせ9,063名の卒業生を輩出しており、それぞれの道で活躍されています。
 みなさんは、この1月1日に発生した能登半島地震は記憶に新しいと思います。千葉県内も今年に入って震度3以上の地震が10回以上発生しており、不安を感じることでしょう。生きていく上で、ときに不条理なこと、理不尽な扱いを受けることは、避けられません。こうなったとき、必ず冷静に受け止めることです。受け止める行為を避けてはいけません。どうしてよいかわからないときは、友達・先輩に相談、あるいは担任や学生相談室に自分の思いを吐き出してください。思いを誰かに打ち明けることは、より良い人生を送るために大事です。
 高専の学業に関して不安があるかもしれません。
 まず1・2年の人文および基礎科目をきちんと身に付けましょう。数学・物理は、公式を覚えるだけでなく、その理屈を理解しようとする習慣を身に付けてください。3年以降に増える専門科目は、これら基礎科目の上に積み上がっています。基礎科目が理解できていれば、高学年になるに従い講義が楽しくなるでしょう。
 専攻科の皆さんは、研究生活が中心になります。研究成果はできるだけ学会や論文誌に発表する習慣を付けてください。そして学外との人脈をつくるように心がけてください。また、海外の研究者とも連携して研究を進めてみてください。
 ラオス・ミャンマーおよびタイからこられた留学生のみなさんは、これまでの生活習慣と異なる中で勉学をすることになります。しばらくは苦労されるかもしれませんが、積極的にクラスメートとコミュニケーションして、笑顔を忘れないようにしてください。クラスメートも同様にお願いします。
 他高専から転入されたみなさんは、習慣の違いで戸惑いがあるかもしれません。心配しないで徐々に慣れてください。ときには、前の高専の習慣をクラスメートに披露して刺激し合ってください。
 人間力を磨くことも大事です。全国の高専に、ロボットコンテスト、デザインコンテスト、プログラムコンテスト等が用意されています。他高専との交流、そして競い合うことの楽しさを味わってみてください。クラブ活動には、文化部・運動部そして同好会が30以上あります。一度のぞいてみてください。今は簡単にできても10年後には身に付けることが難しくなる部活もあるので、積極的に参加してみましょう。
 保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。高専は、大学と同じ日本の高等教育機関の一つです。教職員は生徒と呼ばず学生と呼びます。学生の自主性を大事にし、自律して学んでいく学生を育てることを大切にします。一般の高校と異なる面もあるため戸惑うこともあるかもしれません。そのような際は、遠慮なく学校に連絡してください。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
 改めて、新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。
 みなさんがここ木更津高専で、勉学を楽しんだり、友達をつくったり、様々なことにチャレンジしたり、有意義な学生生活を送られることを祈念して、式辞といたします。

令和6年4月5日
木更津工業高等専門学校長
先村 律雄