~未来が望む建設業界の明日を共に描こう~
2026年2月27日,木更津高専 環境都市工学科主催による「第2回技術者交流シンポジウム」を開催しました。本シンポジウムは,DX・GXをはじめとする社会構造の急速な変革を踏まえ,“これからの建設業界と高専教育のあり方”を卒業生とともに考える場として昨年に続き実施したものです。
今回の参加者は8名と環境都市工学科教職員でした。開催日が月末金曜日であったことから参加者数は少なめでしたが,その分,企業の制度運用の実情や教育現場が抱える課題など,普段は共有しにくい内容まで踏み込んだ意見が交わされました。
高専の進路に見られた大きな変化⁉
最初に報告されたのは,今年度の進路状況です。就職希望者の急増やインターンシップ直に早期選考が始まる事例などが紹介されました。現時点では,就職希望者の増加は一過性の様子ですが,今後の動向に注視してまいります。
また,採用活動の変化に対応した教育内容として,インターンシップに参加する学生への事前・事後指導,3年次でのキャリア教育の取り組みが紹介されました。
卒業生からは,
・今の学生は就職への意識が高いのか
・選考の早期化は志望先に影響しているのか
・どんな業種に人気があるのか
といった質問が寄せられ,教職員にとっても学生の気質や現場の変化を再認識する機会となりました。
セキュリティ教育,キャリア教育,アントレ教育の導入
続いては,令和8年度から木更津高専で行われる新たな教育体制について報告がありました。専門教育の中に10名規模の「プラスセキュリティコース」が新設される予定であり,卒業生からは,「どのような業種への人材輩出を目指しているのか」といった質問が寄せられました。
実際には,今後の社会情勢の変化を見極めながら対応していくことになりますが,建設業界においても,セキュリティ分野の専門事業者との橋渡し役を担う人材の重要性が高まると想定されます。こうした役割はますます求められる可能性があり,その育成を視野に入れています。この新しい取り組みに向けても,皆様からのご協力をお願いいたします。
企業で進む女性活躍と,その裏にあるリアル
第1回の宿題となった「女性活躍」をテーマに,まずはGCONへの出場・受賞事例や,高専の現場で抱く課題について教員から報告されました。
続いて,卒業生からは企業の取り組みが紹介されました。
・性別を意識しない自然な共同参画の醸成
・女性の参画によるチームの風通しの改善
・個々の事情に配慮した男性育休の柔軟化
・法律以上の独自制度はあえて設置しない姿勢
など,想像以上に進んだ企業の実態が共有されました。
しかし,個別の情報交換では,女性管理職育成の難しさも多いようです。性差による育休の休職期間の長短の扱い,育休制度を逆手にとった行動による弊害,パートナーが勤める他社よりも制度が手厚い結果として自社の社員の家庭内負担が増加するなどの表には出にくい現実も見えてきました。「制度が充実している企業ほど損をする構造」など,業界全体で向き会うべきテーマかもしれません。今後も情報交換の場を設定していきたいと思います。
個性を活かし,多様な人材が活躍できる職場へ
続いて,女子学生の進路相談をきっかけに議論は“個々の特性”というテーマへ。参加者からは「男女を問わず,部署異動を通じて興味関心を育む環境」が紹介されました。
また,個別の事情を配慮してもらえる場面は多いが,働き方を選択できる自由度はまだ十分ではないという意見も出されました。例えば,企業に損害を与えそうな時期に育休等で休職する者と自らの業務を調整して迷惑のかからない時期に休職する者は同じ評価なのか,留学はキャリアアップだが別の学位取得はキャリア中断という認識に対して疑義を感じるなど,価値観の違いによって意見が分かれそうな論点も挙げられました。
第3回の開催に向けて
アンケートでは,参加者全員から「次回も参加したい」との回答をいただきました.一方で,より多くの参加者が参加しやすい開催方法についても意見が寄せられました。週の中日や開催時間の調整,円卓形式でのディスカッション,リクルート・他企業交流・業務提携などテーマの多様化などは今後に反映したいところです。また,非常勤講師,キャリア教育協力,入試イベント資料提供,ワークショップなど,次の展開なども議論していきたいと考えます。
環境都市工学科では,多様な人材が「これならできそうだ,やってみよう」と思える業界の実現を目指し,今後も卒業生と連携を一層深め,未来に望まれる教育機関を目指してまいります。
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