学生の活躍のお知らせ

電子制御工学科の4,5年生チームが「第2回高専防災減災コンテスト」にて国際科学振興財団賞を受賞

概要

「第2回高専防災減災コンテスト」の最終審査会が令和6年2月29日(木)に茨城県つくば市の防災科学技術研究所で開かれ、電子制御工学科の4,5年生チーム5名が、全国の8高専10チームの中から、国際科学振興財団賞を受賞しました。このコンテストは、高等専門学校に在籍する学生を対象として、防災減災に関わる社会課題を解決する技術のアイデアとその検証過程を競うものです。主催は、独立行政法人国立高等専門学校機構(高専機構)と国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研)と公益財団法人国際科学振興財団(FAIS)です。


賞状とトロフィーの写真

賞状とトロフィー


チームが取り組んだ課題名は「小口径塩ビ継手の漏水に対する不断水補修具の試作開発 ― 南房総地域の社会的損失の止水を目指して」です。本件は、館山市役所にある三芳水道企業団の方から5月に技術相談をいただいたことが元になり、学生2名の卒業研究を中心として取組んでまいりました。

館⼭市全域と南房総市富浦地区・三芳地区では上水のおよそ4分の1が漏水で失われ、その損失は一年あたり4.4億円となるとお伺いしました。漏水修理の件数の4割超は、口径30 mm以下の小口径塩ビ管の継手のひび割れです。これらの漏水を修理するためには、断水が必須となります。断水の場合には、作業員と供給先家庭それぞれの物理的負担と⼼理的負担が断水不要な補修方法に比べて大きい状況があります。

木更津高専チームは、ご相談に応じて、世の中にない「小口径塩ビ継手の漏水に対する不断水補修具」の試作開発を始めました。ヒアリングや調査分析を設計に反映しながら、3Dプリンタによる試作で止水が可能かを試みました。製品化のためには1.75 MPaの水圧1分間に対して漏水ゼロを満たす必要があり、止水時にはこれが数値目標となります。今回の取り組みの試作物は、最高で0.5 MPaの水圧1分間に対して漏水ゼロを達成しました。0.5 MPaの水圧は水道の出口における通常の圧力です。本件は、新年度も引き続き取り組み、地元の課題の解決を目指します。

(電子制御工学科 教員 関口 明生)

取組み概要のスライド画像

取組みの概要


学生より

第2回高専防災減災コンテストにおいて、国際科学振興財団賞を受賞できたことを嬉しく思います。この研究は、5月ごろに来た水道局からの依頼で始まったため、他の人の卒業研究と比べて出遅れてしまっていました。また、漏水したパイプの補修器具を作るという専門外の内容であり、研究に必要なものが何一つ無い状態からのスタートであったため、当時は卒業までにちゃんとした成果が出せるのか不安でした。実際、実験できる環境が整ってからも、3Dプリンタで印刷したものが設計したものより小さくなってしまったり、ネジを強く締めすぎて補修器具が割れてしまったりと、悪戦苦闘していました。それでも、同じ研究を行った学生と知恵を出し合い、時には別のテーマの研究を行っている学生にも協力してもらい、最終目標は達成できなかったものの、なんとか発表できるレベルの成果を出せました。私一人ではここまでの成果を上げることは到底できませんでした。協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。

高専防災減災コンテストは2日に分かれており、初日に発表、2日目に防災科研の施設見学となっていました。発表時は、同様に発表を行う高専関係者だけではなく、防災科研の方やNHKの方など、多くの方が見に来ていました。発表の内容のほとんどは事前に準備した動画であり、実際に自分で話す時間は短かったものの、発表を見ている方々がほぼ初対面だったことや、私の前に発表したグループの内容が、どれも非常に高いクオリティだったことなどから非常に緊張した状態での発表となりました。壇上での発表を終えた後はポスターセッションがあり、他のグループの内容を見に行き、直接話すことができ、非常に有意義な物となりました。2日目の施設見学では、大規模な実験装置を見せていただきました。大雨に耐えられるかを実験する施設や、大陸プレートの摩擦係数を測定する装置など、全く想像したことのないものが多く、貴重な経験をできたと感じています。

今回の高専防災減災コンテストを通じて、グループのリーダーを務めることや慣れない土地での発表など、今まであまりやってこなかったことを経験できました。簡単なことではありませんでしたが、先生や研究室の仲間達のおかげでなんとか乗り越え、受賞することができました。この経験は今後の人生で必ず役に立つと思います。

(令和5年度電子制御工学科5年 チーム代表学生 里村 秋水)


最終審査会の写真

最終審査会における発表・ポスターセッション・受賞