2025年3月、僕は海外研修に参加する機会を得て、新モンゴル高専に訪れました。初めての海外への渡航や一年生一人だったこともあり、不安と緊張の中、研修に臨みました。今回の研修では、教育、文化に触れ、現地の人々と直接交流することができました。この研修を通じて得た知見と経験について報告します。
■一日目から三日目
【学校見学・授業】
学生が日本語の授業で発表する様子
日本語の授業で発表資料を作る様子
新モンゴル高専の学生たちは日本などの海外の文化(アニメ・インターネットなど)に触れる機会が多く、新しい情報を得たり、学術的な学びを深めたりするので、言語能力を高めるために日本語や英語の語学学習に積極的に取り組んでいました。
■三日目
【文化交流】
モンゴルの伝統的な“シャガイ”(家畜のくるぶしの骨)を使った遊び
文化交流では、モンゴルの伝統的な家畜のくるぶしの骨を使った、日本でいう「おはじき」のような遊びと特徴的な形を利用し、四面に分けられるシャガイをサイコロのように使って遊ぶ「競馬」と呼ばれる遊びを体験しました。日本にはない、骨を遊びに用いる点に非常に驚きを感じました。
■四日目
【チンギスハーン博物館】
黄金のチンギスハーン像
四日目のチンギスハーン博物館では、主にモンゴル帝国の成り立ちや歴史、モンゴルのかつての人々の暮らしなどを鑑賞しました。黄金のチンギスハーン像があり、あまりの迫力に息を呑むほど圧倒されました。
■五日目
【MMS green building・ザイサン丘】
五日目のMMS green buildingという主に再生エネルギーを扱う企業を訪問し、会社内の設備(トイレの水は空気を用いている、モンゴルならではのセントラルヒーティングなど)を見学させていただきました。会社の中央には中庭が広がっており、そこで積もった雪を水にする、屋上にある大量のソーラーパネルがあるなどモンゴルの気候に合ったエコ活動・エネルギー利用を見学させていていただきました。僕にとって非常に充実した企業訪問になったと思います。
ザイサン丘からの眺め
ザイサン丘では首都ウランバートル全域を展望することができ、非常に美しく、壮大な眺めでした。
最後に僕にとってモンゴルでの海外研修はただ異文化体験を身につけるだけでなく、モンゴルという滅多に行くことのない国に行けたという絶好の機会を得ることができ、このような経験は、今後のキャリアや自分の成長に大いに役立つと思いました。
(電気電子工学科 2年 吉田 実)
2025年3月8日から17日までモンゴル研修に参加しました。本研修では、新モンゴル高専での授業参加、モンゴル科学技術大学所属高専の見学、企業訪問、博物館見学など多岐にわたる活動を行いました。
チンギスハーン空港からウランバートル市内までは車で1時間半。道中は広大な草原と山々に囲まれ、馬や牛などの動物を多く見ることができました。市内に入ると交通量が一気に増え、渋滞とクラクションの嵐でした。市内を移動する距離よりも空港から市内までの距離の方がはるかに長いですが渋滞で市内の移動に1時間ほどかかっていました。車は日本車が多く、その中でもプリウスが圧倒的に多かったです。市内には建設中や工事中の場所が多く、今後さらに発展していくことを感じさせました。建設が途中で止まってしまった柱だけの建物も点在していました。
私にとってモンゴルは非常に寒い国というイメージがあり、防寒対策でヒートテックやタイツなどを多く持参しました。ですが予想より寒さは厳しくなく、アウターは6枚持っていきましたが2枚しか出番はありませんでした。現地の方々の話によるとモンゴルのお正月(3月上旬)が終わってから暖かくなっているとのことでした。-18℃で暖かいと言える気温なのだと驚きましたが、体感温度は実際の気温よりも高く過ごしやすかったです。
新モンゴル高専は新モンゴル小中高学校と新モンゴル工科大学と同じキャンパスにあり、とても賑やかな学校でした。日本語の授業や専門科目の授業などに参加して特に印象的だったのは、学生と先生の活発なコミュニケーションです。自身の高専の授業では先生の説明をひたすら聞いて理解する講義形式の授業が多いですが、新モンゴル高専では学生が積極的に発言し、議論を交えながら授業を行っていて、このようなスタイルはとてもいいなと思いました。また、新モンゴル学園では日本語の授業があるため皆さん日本語が本当に上手で、日本語でコミュニケーションをとっていました。5年生においては、卒研内容を日本語でプレゼンテーションしてくれたり、博物館や企業見学の際に通訳や説明をしてくれたり、高い日本語能力にとても驚かされました。ただ翻訳してくれるだけではなく、自身の持ち合わせた知識を加えて説明してくれるので、モンゴルの歴史を深く理解することができ、博物館もとても楽しかったです。
新モンゴル学園のロビー
日本語の授業を受けている様子
5年生クラスの休み時間に遊んでいる様子
シャガイ(羊やヤギのくるぶし)での遊び方を教わっている様子
モンゴル国立博物館
企業見学
休日には、私のクラスメイトでモンゴルからの留学生の親戚の方に遊びに連れて行っていただきました。ラクダ乗りやゲルの見学など、モンゴルの伝統文化に触れる貴重な体験をたくさんすることができました。モンゴル料理も毎日のように食べ、常に口の中には羊さんがいました。
チンギスハーン銅像
ラクダ乗り体験の様子
亀石
ツォイヴァンというモンゴル料理で麺と羊肉などが入っている
羊の頭
ホーショールというモンゴル料理で小麦粉の皮で羊肉を包んで揚げたもの
今回の研修を通じて、モンゴルの文化を学ぶだけでなく、日本とモンゴルの深いつながりを感じることができました。次回はぜひ夏に訪れ、異なる季節のモンゴルを体験したいと思いました。モンゴル大好きです。モンゴルのみなさん、温かく迎えてくださり本当にありがとうございました。
(制御・情報システム工学専攻 1年 戸田 帆南)