環境都市工学科のお知らせ

2025/02/26 【開催報告】第1回技術者交流シンポジウムを開催しました

〜卒業生とともに語る,これからの建設業界と高専教育の未来〜

2025年2月26日,木更津高専環境都市工学科主催の「第1回技術者交流シンポジウム」が開催されました.本シンポジウムは,DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)が叫ばれる現在の建設業界から見た若手人材の資質や高専教育のあり方について,卒業生との交流を通じて考える機会となりました.

卒業生と熱い議論を交わす

 シンポジウムには,環境都市工学科および土木工学科の卒業生が22名参加しました.コロナ禍以降,久しぶりに母校に足を運ぶという方から,現役の大学院生も参加して,教職員や同窓生の変貌ぶりに驚きつつも会場は和やかな雰囲気に包まれました.

卒業生でも知らなかった高専のリクルートの仕組み

 はじめに近年の進路状況が報告され,各種進路試験の「早期化」とそれに伴う高専生が抱える課題が報告されました.そのために環境都市工学科では,キャリア教育科目が報告されました.卒業生からの質問も活発に寄せられ,高専機構本部と各高専で個々に窓口を有する点などの実務に直結する問題点や,求人の早期化に伴う教育上の弊害などについて取り上げられました.

問われる人材確保・教育の場としての高専の存在意義

 続いて,若手人材の確保の場としての高専のあり方について意見を交わしました.学科からは,より実践的な人材を輩出するための最新技術の教授などへの卒業生の協力が依頼されました.また人材確保の観点から環境都市工学科への志願状況等を報告しましたが,教育現場と企業との間に意識のずれがあることが明確になりました.教育現場としては,(1)企業は必ずしも高専から人材を得る必要はないこと,(2) 実践的で創造的な人材である卒業生の活躍や,大学生を得られない企業から高専生のニーズがあることを改めて認識することができました.長年の経験バイアスから認識できなくなっていた,人間力などの高専生の魅力や,専門的でわかりにくい表現などを知る良い機会となりました.

i-Construction 2.0時代の高専教育

 話題提供では,i-Construction 2.0に関する業界の動向や建設現場に与える影響が紹介されました.施工主,現場,設計者等の立場で意見が交わされると共に,新しい教育プラットフォームを必要とするDXの教育現場への導入課題等についても意見が出されました.基礎理論をベースとする従前の高専教育の優位性と,最新技術がもたらす恩恵の両方を取り入れた教育が効果的であり,その実現に向けて卒業生と環境都市工学科で連携していきたいと思います.また,そうした企業等との連携の動きを,他の分野の多くの科目でも検討する余地があることがわかりました.

広がれ!卒業生の輪

 シンポジウムの休憩時間や終了後には,参加者同士が各自で交流を深め,異業種・異世代の卒業生が情報交換を行う様子が見られました.環境都市工学科が,卒業生をつなぐハブのような役割を果たし,リクルートや人材育成の協力体制が生まれることを期待します.

今後の展望

 第1回目となった今回のシンポジウムは,参加者から非常に高い評価をいただき,アンケートを提出いただいた18名の卒業生から「次回があれば,参加したい」との意見をいただきました.また,授業協力等でも「キャリアデザイン科目への協力」や「ポスターやパンフレットの提供」等に積極的なご意見を頂戴しました.一方で,「自己紹介の時間がほしい」,「休憩時間の有効利用」,「会話形式のディスカッション」,「資料の事前配布」等のネットワーキングの機会を望む声や,「女性技術者の業種とキャリア対策」,「企業が欲しい人材」等より企業人目線でのテーマを希望する意見が寄せられました.課題点をブラッシュアップして,次回も是非開催したいと思います!

環境都市工学科では,今後も卒業生との連携を強化し,建設業界を支える人材教育を推進してまいります.

 

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